料亭「」は大正9年(1920年)創業の、盛岡を代表する料亭の一つである。創業者の盛田もりたキノは、八幡町にあった「いろはろう」で生まれた売れっ子の芸妓で、キノは20代で分家し、盛岡唯一の鳥料理専門店を開店するに至った。キノは、鳥料理を何とかしておいしく食べてもらいたいとの思いで東京から板前を呼び、その甲斐もあって、次第にうまい料理を食べさせる店として定着するようになった。
 その後、終戦直前には政府の命令により仕出し屋に衣替えし、戦後には建て増しをして料亭となった。現在の店舗は昭和53年(1978年)に建てられたものであり、六畳間から、緞帳どんちょう付きの舞台が設置されている103畳の大広間まで、様々な部屋を備え、お祝い事から接待の場、そして地元住民の気軽なお食事の場として、幅広く愛用されている。

由緒板について


 盛岡・八幡町の建物・歴史について説明する「由緒板」。地域活性化を目的としたもので、八幡かいわいの歴史について盛岡弁を交えて解説しています。

八幡町について


 盛岡八幡宮の門前町として町割されたことに由来し、「八幡町」となりました。現在は盛岡秋祭りの山車が練り歩き、ぽんぽこ市も開催され、賑わっています。